Rumzy's

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人生って孤独だなぁ

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馴染みのお客さんが逝ってしまわれた。
75歳だった。
ついこないだまで元気にしてらっしゃったのにな…
7月の終わりには毛染めにいらっしゃったばかりだった。


春先頃から癌と診断されていた。
肝臓癌。

うちの母も6年前に癌をやっている。
6年経って元気で生活しているのでほっとしている。

癌の闘病患者としては母の方が先輩なので来店しては色んなことを聞いていた。
抗癌剤はどうだった?髪の毛は抜けなかったの?
そのたびに答える母に熱心に耳を傾けていた。

葬儀から帰ってきた母から聞くところによると、癌が発見されたときはすでに余命3ヶ月〜半年を宣告されていたことを息子さんから聞いたとのこと。

知らぬは本人だけの状態だったようだ。

長年やってるとお客さんも同じように年をかさね。段々と高齢になっていく。
そうしたとき、こんな出来事は今後ますます多くなっていくんだろう。

その夜はぼぉっとお客さんのこと考えていた。
よく差し入れを貰ったな。いつもにこにこと笑顔で…



ちょうど、江國香織の『左岸』を読み終えたばかりだった。

幼なじみと慕っていた兄。
幼年期から始まり半世紀に渡る
愛の、、、そして、人生の、、、
長編小説。

兄を自殺で亡くし、かけおちして都会で暮らし、別れ、また出会い、やっと幸せを掴んだら夫は事故で亡くす。

残された小さな娘と何とか生活しながら頑張っていく。
やがて、母も、そして優しく威厳のある父も痴呆が入り老いて亡くなっていく。
娘もフランスに留学し…
独りぼっちになってしまう。
残ったものは自分の店(ワインバー)だけになった。

人生の、人間の一生の、孤独感や哀愁が目頭を熱くさせる。



親になり、子が所帯を持ち、孫が生まれ、自分の父は亡くなり、母もだいぶ歳をとってきた。
やがて訪れる寂しさのための準備は何も出来てはいないと言うのにな…

そんなことをお客さんのことと重ね合わせて考えていた。
ベランダで一服しながら


人生って孤独だなぁ。
最後、死ぬときはひとりだもんな。
その時、どんなことが頭の中を駆け巡っているのだろうな。。。。。


左岸 上 (集英社文庫)

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左岸 下 (集英社文庫)

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